私達の想像力（イメージ）が持つ、未知の可能性の実例のひとつをご紹介します。
この話はアメリカのマスコミで取り上げられ、話題となりました。
日本でも、人間不思議を科学的に追求した番組スーパーネイチャーでも紹介されました。
この話の内容は、アメリカのカンザスシティーに住む９歳の少年が創造力（イメージパワー）を使って奇跡的な体験をした実話です。
この少年の名前はギャレット・ポーター君で、９歳の時に脳に癌（がん）が見つかり、医師から後６ヶ月の命と宣告されました。
病院ですぐに治療を受けましたが、その効果もなくポーター君は衰弱していくばかりでした。このままでは、彼の死は時間の問題でした。
そんな状況の時、両親は臨床医師のパトリシア・ノリス博士と出会います。ノリス博士はポーター君の状態を把握してひとつの治療法の提案をします。
それは、誰もが持っている想像力、イマジネーションの活用です。
両親は驚きましたが、もう他に治療法がありません。早速、ポーター君に説明して「想像力」で癌（がん）を消滅させるイメージ・トレーニングをスタートすることにしました。
彼は、スターウォーズのように宇宙戦争で癌（がん）を悪者軍団にしたて、白血球を正義の自分の軍隊にして想像力を使い毎日戦い始めました。善と悪との戦いです。
そして、６ヶ月を過ぎた頃、その戦いは突然終わりました。見渡すと敵がいなくなったのです。翌日、病院へ行き検査をしてみると、全ての癌が消滅していたのです。
検査をした医師は大変驚いたそうです。このポーター君の奇跡的回復は、私達の誰もが持つ想像力、イメージパワーの可能性を示しています。
また、このような例は、ポーター君に限らず、数多く現在では確認されています。私達の細胞は６０兆個あるといわれ、私達の脳細胞のうち活用しているのは、８パーセントだと言われています。
人間の持つ可能性は、まだ未知なのです。それゆえ私達には未知の可能性があります。その可能性の扉をひらくカギが想像力、イマジネーションの力なのだと考えています。
あなたは、努力しているけど、その努力とは反対になかなか上手くいかないという事がありませんか？
例えば長さ１０ｍ、３０センチの板の上を地上に置いて、向こう端へ渡りなさいと言われたら、私達は簡単に渡ることができます。しかし、この板を地上３０メートルの高さに上げて、さあ、渡りなさいと言われても、私達は思うように渡れません。
これはなぜでしょう？
これは、私達の心の中で板が地上にある場合は、向こう端へ簡単に行けると想像（イメージ）しているのに対して３０メートルの高さになると落ちる時のイメージが働き出して、いくら意志の力で渡ろうとしてもできません。
駄目だ、出来ないと想像すると絶対に不可能なのです。とび職の人達ができるのは、自分ならできると想像（イメージ）できるからなのです。
不思議に思われるかもしれませんが、できないのは自分自身に落ちるイメージを植え付けた結果なのです。
このイメージは意志の力をどんなに働かせても、意志の働きが強くなればなるほど、それだけ早く内心の願望とは逆の結果が生じてきます。
また、スポーツの分野でも、この実例を数多く見つけることが出来ます。
重要な試合に出場しようとしている選手がいます。彼はもちろん勝ちたいのですが、負けるかもしれないと内心恐れています。
試合の前には、彼の不安はピークとなり、彼の不安は実現し始めます。
当日は神経過敏になり、不安による失敗というイメージの状態を自ら創り始めます。試合が始まると、彼は不安を追い払うために、彼は意志の力を最大限に奮い起こして最高のプレーを自分自身に強要させます。
しかし、彼のプレーはその努力に反して上手くいきません。ミスが増えるたびにこんなはずではないと、ますます自分自身に最高のプレーを強要します。
結果は散々で、彼から彼の自信を奪い取ります。そして、今度こそはと次の試合に臨みますが、ますます「力み」上手くいきません。
こんなことが３、４回程度続くと気分が落ち込み、自分には能力がないとか、もう駄目だとか、弱気になったり、または、スランプに陥ってしまいます。
この様なことは、スポーツの分野だけに限りません。この時の彼がかりだしているエネルギーは「勝ちたい、しかし失敗するかもしれない」という、自らが創り出した失敗というイメージに従っただけなのです。
ゴルファーが、バンカーに打ち込んでしまう場合も、彼の意志に反して彼のイメージが、バンカーを消さない限り、彼の全神経と筋肉は見事にバンカーへボールを運んでしまいます。
ここで、「いや、そんな事はない。私はバンカーに打ち込まないようにした」と言う人がいるかもしれません。しかし、彼は自分で言っている様に、すでにバンカーに心が捉えられているのです。
私達の心と体は密接な関係にあります。この関係を観念運動という簡単な実験で証明できます。
これはシュブリェルの振り子と呼ばれる実験です。
http://mindstudy.life.coocan.jp/newpage50.htm
この実験からも解るように、あなたが直線のことをイメージしていると、そのイメージはあなたの潜在意識の中に入り込み、あなたの潜在意識は自動的にあなたの手や腕の神経や筋肉を通じて微細な運動を起こし、そのイメージを実現させるのです。
このことからも、この想像力（イメージ）が、いかに私達の行動と生活に大きく影響し、深くかかわっているかが解かって頂いたと思います。ただ、意志の力だけでがむしゃらに突進しても、ただのエネルギーを浪費させ、無力感と自己不信を招くことになりかねません。
私達は目標を立てても、途中で挫折したり物事が上手くいかなかった時に、周りから「根性がない」とか「自分はなんて意志が弱いのだろう」と思っていたりしていたことは、実は知らないうちに「努力逆転の法則」の罠に陥っていたり、「想像力」の活用を知らなかったのかもしれません。今まで想像力を意識して使ったことがないからです。
私達は、意志の力に頼り「意志の力」で物事を成功させようと努力してきました。しかし、意志の力だけによる努力は失敗しやすく、想像力のトレーニングとその活用こそが私達の未知の可能性を拓き、私達を成功へと導いてくれます。
意志と想像力（イメージ）が調和している状態こそが、精神内部に何の迷いもなく満ちた自信によって、確信ある行動ができ成功へと自分自身を導くことができるのです。
ビジョン（目標）、それは思い描き、行動することで達成されます。 |