あなたの生き方を決めて行くものは基本的には「思考」なのです。
人間のあらゆる行動力は様々な思考から出た想念の集積した力によって起こされるといえます。
私たちが取り組むべき唯一最大の問題は、正しい考え方を学ぶことにあります。
この世界は自己表現の場でありステージでもあります。
だから、人間というのは誰でもがどうにかして、自分を最高にかつ最大限に表現したいと願い日々において努力しています。
人間としてこの世に生まれてきた以上は、安心と健康と平和と幸福は勿論のこと、繁栄や成功を得なければ、何の価値もないような錯覚にさえ陥ります。
人々が日々の生活において、それぞれ真剣に努力していることは、結局のところ各自の利己的で偏狭で誤った幸福などを実現するために、探し求めているからであるといえるでしょう。
人々は、おのおの立場で自らの価値観に基づいて、目標を立て進んで行っているように思えます。
多くの人々は、様々な夢とロマンを描きそれに挑戦し努力をしますが、ほとんどの人々が事物の成就に失敗するのは、心がその成就を裏づけるような心境になれないからです。
ここで、最も重大視をしなければならないのは、個々の失敗例そのものではなく、個々の失敗を現わすようにならしめたところの「心境」そのものが、今もなお続いているということです。
ですから、人間の潜在意識にあるところの「失敗の傾向」というものを取り除かない限りは、再び、さらには幾度もその人は失敗するのです。
そもそも失敗の最大の原因は、個々の潜在意識内にある生活態度を始めとして、生き方、人生観、人間関係、価値観、というようなものが正常ではないことからきています。
「善き樹は善き果実を結ぶ、それゆえに果実を見てその樹の善悪を知れ」と、イエスは教えられています。
その人が善い運命に恵まれないということは、その人の人格は低いものであり、品性は未熟で完成されてなく、思考としての想念がまだまだ「本当のもの」でなく、徳も乏しい証拠であるということができるのです。
その人の想念が「本当のもの」でないということは、その人の「本来の姿」すなわち実相から来るインスピレーションの想念ではなく、周囲に取り巻く現象世界に心を捉われて、実相には存在しないような「不完全さ」を心の中に常に描いているということです。
つまり、その人の性格や人格を築く基準となる思考の内容は、真理から離れた不安定なものであり、自我から出たところの利己的なものが多いといえます。
私たちが心に思ったり描いたりすることは全て想念となり、顕在意識を通して潜在意識で想念を持続したり、度々、同じ傾向を持つ想念を繰り返しているならば、潜在意識に蓄積されて、いつの日にか無意識にかつ習慣的にある特定の行為が行なわれるようになり、その人の性格を形成するようになるのです。
つまり、人間のあらゆる行動力は、様々な思考から出た想念の集積した力によって起こされるといえます。
あなたの生き方を決めて行くものは基本的には「思考」なのです。
それは正しい考えこそが正しい想いと正しい知恵と正しい判断が湧くようになり、そして正しい行動もできるからです。
他の裕福なる人を羨まないように、他の人の富を羨む心は富を否定する心でありますから、自己の富をも否定することになり、努力をしたところでいつまでたっても豊かになれません。
私たちが創化作用を有効に活用するには、意識と調和した関係にならなければならないものです。
ここで意識は赦（ゆる）しと愛念と感謝の心でありますから、各自に愛念と善意と平和と感謝の想念のみを有するように心がけましょう。
この世界は仏典にあるように「唯心所現の世界」であります。
それだからこそ自らの「心」によって、それを支配することを学び、「心」によってそれを支配することを実証しなければならないのです。
もし私たちが自分の心によって外界を支配することが出来なければ、逆に私たちは外界の力によって支配せられることになるでしょう。
今まで外界の環境、境遇に支配されて来た人は、ここで思い切って心を一変しなければならないものです。
そうすることによって、やがてあなたは外界を心のままに支配し得る人となることでしょう。
人間には超心理学の分野で証明されているように、度々、同じ傾向を持つ思考や想念を繰り返したり、持続しているならば、顕在意識を通して潜在意識に働かせて心の奥底に蓄積されることにより、いつか、無意識にかつ習慣的に事物を成就させる力が備わっているのです。
私達は毎日の生活上における様々な出来事の中で、いつも何を考えたり思っているだろうかと、時には振り返ったことはありませんでしょうか。
あなたの一瞬一刻の心の働きや行動が、あなたの一生の運命や幸福度を決定しているからです。
現象世界は仏典にあるように変化無常の世界であります。
変化無常の世界であるということは、「常恒の姿なく変化する世界」であるということであります。
この世がもし何の変化もしない、固定せる世界であるならば、動植物の生成化育の万事は止むことになります。
しかし、宇宙の森羅万象の変化し得る世界であるということは私たちの救いでもある。
そこに私たちが外界を支配し得る根本的な理由が存在するわけです。
変化する原動力は、そこに住む人の業力（カルマ）によって転ぜられる。
業力とは過去に蓄積されたところの「心の力」が具象化したものです。
つまり、業力とは原因結果の法則（因果律）でもあるのです。
想像力によって心の世界に確信をもって描かれるとき、それは次第に蓄積され物質化して現象界に発芽し始める。
しかし、心の世界にある形に描いておけば腕を組んでいても、それが実現するなどと安易に考えてはいけません。
私たちは生き方に主体性を持つと共に、日常に起こる様々な問題を自ら思考判断し、解決して行こうとする前向きの意志が大切なのです。
私たちの心で想念したり、創造する自由は、善い方向にも悪い方向にも同じように想いの行為が可能であり、どちらの方へも向けられるということを再認識しなければならないでしょう。
つまり、人間の自由意志と自由判断と行動の自由という権利は諸刃の剣でもあるのです。
心の世界に形成したものが現実の世界に出現するには、そこには思考の内容に応じて自然と行動化が起こるのであり、自己の内から催してくる導きに従って、懸命に自己の希望する事柄を実現するために、努力し行動しなければならないものです。
ところが懸命に努力しているとき、その実現の途中において、自分の希望しないような反対の悪い状態が起こってきたとしても決して悲観してはなりません。
もし、そのような悪しき状態が起こって来たときには「この状態が希望達成に必要な踏み石となり、これを通して必ず良いことが来る」と、心の奥底から念じましょう。
強い信念と想像力を持ち、真理に基づく生き方や人生観を学び、常に好転を信じて途中の困難に挫折せず、明るい展望を持ち邁進する人は、その目的を達することが出来るものです。
思考の想念は、潜在意識にイメージとして蓄積され、創価の法則によりやがて具体化されます。本当に心の操縦法ほど難しいものはないでしょう。
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